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泣ける本
2008/11/13 (木)
テレビや雑誌でやたらと『泣ける本』という紹介がある。
書店でもわざわざ『泣ける本コーナー』を作っているところもある。

『泣けた本』というのならば自分の感想であり純粋に物語の世界を楽しんだ結果の評価であるけれども『泣ける本』というのは物語は手段であり、目的は泣くことである。
よって、内容がどんなにすばらしくても泣けなければ目的を果たせなかった以上、だめな本となってしまう。

本というのは、作者の作った世界でありながら読み手が読み進むことで自分の世界を作っていくというパラレルワールドを楽しむものだと思う。
言い換えれば、作者がどう思っていようと、他人が何を言おうと、読んだ本人が感じたこと思ったことこそがその本のアイデンティティである。

それをこの本は泣けますよ、といって売り、それがベストセラーになるというのは、マニュアルがなければどうしていいかわからない未熟な人間が増えているということだろう。
本来は、そのような未熟を補うために本の世界で学ぶのだが、今の世の中では何を読めばいいか分からないということになって結局『成長できる本』として売らなければならないんだろう。
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