Open House

初版:2004/9/15
最終更新:2011/2/9


気分転換に読む本

ふだん頭を使うからややこしい本は読みたくない。
週刊誌を人前で読むのはプライドが許さない。
いまさら名作、文学といわれるものに手を出すのは若い頃本を読んでなかったといっているようで恥ずかしい。
最近の本はなんだか内容が薄い。
そんな人のための気分転換用の本です。


徳川将軍家十五代のカルテ

篠田 達明
健康管理もしっかりしていてさぞや健康だったのだろうと思っていた殿様たちが、実は障害を持っていたり短命だったり。
ちょっと無理のある分析もあるけれど、なかなか興味深く読める。
この作者の他の本

こちら救命センター―病棟こぼれ話

浜辺 祐一
死が日常にある生活とはどんなものか。
医者というと、偉そうな態度、金持ちなどというイメージもあるが、安月給で休む暇もなく患者のことを思って働いている人がいるということがわかる。
重苦しい話ではなく、ひとつの話が短いのでちょっとした時間にも読める。
心の傷を癒すために冗談でも言わなければやってられないと、患者を笑いのネタにするという箇所はどうしても受け入れられないが、全体としてみると応援、感謝したくなる。
この作者の他の本

今夜、すべてのバーで

中島らも
自叙伝ともいえるアル中患者を主人公とした小説。
医師も人間味のあるキャラクターにしており、医療というものを考えさせられる。
この作者の他の本

バーのある人生

枝川 公一
小説ではないし、雑学ネタ本としても使えないがBarに行ってみたいけど行ったことがないという人へのBar入門に最適。
Barやバーテンダーを神格化しているような気もするが、気分を高めるための表現と思えばいい。
この作者の他の本

イン・ザ・プール

奥田 英朗
いいかげんそうで、実は名医のようなそうでないような。
患者ごとにひとつの物語になっている。
たいてい、この手の本ははちゃめちゃにして笑わせようとしてストーリがなくなってしまうものだが、この本は話の流れに無理がなく楽しめる。
話が進むにつれキャラが出てくる看護士がそそる。
この作者の他の本

しゃばけ

畠中 恵
京極夏彦の『豆腐小僧双六道中ふりだし』を彷彿させる。
設定もキャラクターもユニーク。
なかなかお気に入り。
シリーズとして順番に読むなら
しゃばけ、ぬしさまへねこのばばおまけのこうそうそちんぷんかん
この作者の他の本

大人の写真。子供の写真。

新倉 万造
久々のヒット。
プロ写真家と6歳の女の子がそれぞれ一眼レフを持って撮影している。
大人(プロ)と子供の視点の違い、興味を持つ対象、表現方法が対比されておもしろい。
『著者』はこのプロカメラマンなんだけれど写真についているコピーが秀逸なのでそのコピーを書いた人を著者と併記して表に出してあげればいいのにと思う。
一応、あとがきのようなところで紹介されてはいるけど。
心やすらぐ本です。
この作者の他の本

姑獲鳥の夏

京極 夏彦
文章がページ内で完結して次のページに繰り越さない、行間を広く取る、難しい漢字を多用するけれどもルビをふるなどの配慮で分厚いのにするする読める。
文章も引っかかるような表現や言葉遣いもなく気持ちがいい。
これって、映像化されてるんですね。へー。
シリーズとして順番に読むなら
姑獲鳥の夏、魍魎の匣―文庫版文庫版 狂骨の夢文庫版 鉄鼠の檻文庫版 絡新婦の理文庫版 塗仏の宴―宴の支度文庫版 塗仏の宴―宴の始末文庫版 陰摩羅鬼の瑕邪魅の雫
この作者の他の本

ソクラテスの口説き方

土屋 賢二
おもろいです。
吹き出す恐れがあるので人前で読むときは注意しましょう。
この作者の他の本

侍はこわい

司馬 遼太郎
初期の頃の短編集。
司馬遼太郎に興味はあったものの連作長編が多かったのでなかなか手が出なかったがこの本は入門編として最適。
男の世界のような物語なのに、脇には女がいて男の運命と作品を動かしている。

日本の歴史の勉強を兼ねて、この人の作品を舞台となる時代の古いものから読んでいくのもおもしろいかな。
でも、長編に手をつける前に短編を読んでいこうと思う弱気なワタシ。
この作者の他の本

そして夜は甦る

原 りょう(寮のウ冠をとった文字。機種依存文字)
国産ハードボイルド。
私が殺した少女天使たちの探偵さらば長き眠り愚か者死すべしと続く沢崎シリーズの1作目。

作者は佐賀県鳥栖市出身。
国産ハードボイルドの草分けの北方謙三は佐賀県唐津市出身。
佐賀はハードボイルドの産地か?

謎解きをしていくんだけれども謎解き自体を楽しむ小説ではなく、あくまでもハードボイルドな探偵を楽しむ小説。
推理に頭が行って登場人物を整理するために何度もページを行き来すると醍醐味が味わえなくなる。

主人公の探偵沢崎について、やたらと両切りピースを吸う、ポンコツなブルーバードに乗っているという以外は今ひとつ生き方や趣向がわかる描写が少ないのでセリフからイメージを膨らませなければいけない。
もう少しこだわっている小物などの描写があるとよかった。
ハードボイルドな小説にはこだわりの小物やブランドが必須だと思う。
この作者の他の本

酒とつまみ (第7号)

酒とつまみ編集部
単行本ではなく季刊誌を目指すミニコミ誌。
表紙からして安っぽいモノクロ印刷。
でもね、すごいんだ、中身が。
なんでそんなに呑むの、どうしてそこまでするの、という飲兵衛たちの言動が詰まってます。
この7号はなぎら健壱のインタビューもあって、めちゃおもろいです。
Webサイトもなかなか楽しめます。→酒とつまみ

豆腐小僧双六道中ふりだし

京極 夏彦 (著)
書店で見ると分厚くて漢字が多そうで読みたくなくなるかも。
でも、字もちょっと大きめ、行間もたっぷりでなにより文章が読みやすいのですいすい読めます。
ストーリーテラーの程よい突っ込みもうるさくなく久しぶりのヒットでした。

旅するカメラ

渡部 さとる (著)
写真、カメラが好きな人にお勧め。
熱く写真技法を語ったり、マニアックに走るわけでなく、また読者にその気持ちを押し付けるでもなく、『ああ、この人は写真が好きなんだなぁ』とほほえましく思いながらページがめくれるので、写真に興味がない人も充分楽しめる。
というか、写真に興味ない人が興味を持つようになりそうな本。
この作者の他の本

どすこい(安)

京極 夏彦 (著)
この人、名前は知ってるけどなんだか分厚い単行本ばかりでおどろおどろしい漢字だらけのタイトルが多いので手に取ったこともなかったんですよ。
でも、このタイトルと表紙のまぬけな絵、収録されている短編のパクリのようなタイトルにそそられて手を出してしまいました。
差別と下ネタに走らない筒井康隆のような、薀蓄(うんちく)を織り交ぜて軽く読ませるドタバタって感じ。
あー、こういうのを書ける人なんだ、とこの人の他の作品を読んでみたくなりました。
そういう意味で京極夏彦入門にいいかも。

間取りの手帖

佐藤 和歌子 (著)
想像力のたくましい人ほど楽しめる。
『何だこんな部屋ー』で終わらず、絶対その部屋に住まなければならない状況になったとき(どんなときだ)にどう住むかを考えるのもおもしろい。

極短小説

スティーブ モス 他編集
短い文章でちゃんと物語が完結する。
長いだけで意味不明内容希薄な話をする人に突きつけてやりたい。
挿絵は和田誠。

むかしの味

池波 正太郎 (著)
ただ美味いだけではなく、どういう状況でどう食べるのが美しいかというような本当の意味での『美食』を説いているような気がする。
高級素材を使って高級料亭で食べるのがグルメだ、などという番組が大流行の昨今これを読んで頭を冷やすべし。
この作者の他の本

オンリー・ミー―私だけを

三谷 幸喜 (著)
したたかな小心者。
最近は大先生になってしまったが、ちょっと前までのおどおどしながらも笑いを取ってやろうと計算しているような三谷幸喜が良い。
噴出してしまうことがあるので他人のいるところでは読まない方がいい。
この作者の他の本

ナンシー関の記憶スケッチアカデミー

ナンシー関 (著)
コメント秀逸。
これ、単純に読むだけでなく誰かと実際にやってみることをお勧め。
海外旅行の機内で退屈でたまらん、というときなど時間をつぶせる。
この作者の他の本

群 ようこの短編

程よい長さの短編が多いので気分転換に。
頭を使わずに読める。
でも、オチのパターンが一緒なのがどうにも気になる今日この頃なのである。(←こんな感じ)

東海林さだお の丸かじりシリーズ

チープなもの、化学調味料大好きなショージさん。
どんなに読んでも全然知識が増えないこの人の本。
うんちくなどを期待せず、ただ単純に『食いてー』と思うのが正しい読み方。
新幹線で駅弁つつきながら読むにはもってこい。
この作者の他の本

東京暮らしの逆襲

まつい なつき (著)
お金はないけど、工夫好きな女の子が夢と希望を持って東京で一人暮らしをしている姿が目に浮かぶ。
自分でできること、自分で作れるものを簡単に買っておいて『お金がなーい』という今の若者、読め。
文章が読みやすくおもしろい。
この作者の他の本

ワニはいかにして愛を語り合うか

日高 敏隆、竹内 久美子 (著)
学問的なんだけれどもぐいぐい読める。
動物の生態を通じて人間の本能が解けるような気がする。
この作者の他の本